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11.13 ツール・ド・おきなわ 激戦記 (清水)

ツール・ド・おきなわ 激戦記

  • とき 平成16年11月13,14日(日)
  • 出場メンバー
    清水剛、真 、藤

「来た来たっ!」3人で逃げている。何というスピードだ!

勾配5%はあろうかという登り。時速30km、いやそれ以上か。

ツールド沖縄一般120km出発10分前のチャンピオンレース200kmを目の当たりにする。

11月14日(日)ツールド沖縄が開催され、国際ジュニア出場する息子、真にあやかり引率という名目で私もロードレース一般120kmに参加することとなった。

藤くんもいっしょだ。

私にとって初めてのツールド沖縄。

距離も120kmといつもの練習距離と変わらず手頃なレースと高をくくっていた。

チャンピオンレースが通り過ぎた5分後、国際ジュニア120kmがスタート。

「がんばれよ〜」檄を飛ばし、その2分後にスタートする一般120kmのスタートラインに我先と並ぶ。

総勢210名かなりの多人数である。

ここで出遅れると先頭集団に入るまでよけいな体力を使うので絶対条件だ。

スタート いきなりレッドゾーン

「パ〜ン」いきなりの登り。

ハイスピードでスタートダッシュ。いよいよスタートだ。

このレースは、制限時間が厳しい。

第1関門、第2関門で先頭より10分遅れるとその時点でレースを強制的に終了させられる。

コースは、全般的にほとんどが登りか下りで平坦なところはごくわずか。

とにかく先頭集団について行くのみ。

スタート直後は、多少の登りと長い下りでハイスピード。

いくつかのアップダウンを繰り返していくうちに、下りでも心拍数がおちなくなってくる。

上りでは、心拍数が180を超えまさにレットゾーン。

「は・や・い」前半はツールド国東のオレンジロードを走っているかのようである。

スタートして30km、少々長い登りで「う〜〜。ちぎれそう〜」

何とか我慢し、島の西側平坦な海岸沿いにでる。

集団は40人程に縮小されている。

何とか最後尾につけ約8kmの長い登りに備え、体力を温存する。

「さー!いよいよ長い登り。」気合いを入れて登坂へと望む。

いきなりスピードアップ。「きっち〜」またもや心拍数はレットゾーン。

我慢の登りが続く。

カーブが連続している所で遙か向こうに見えるのは、国際ジュニアの集団か?

「信じられん。ジュニアとスピードがいっしょ?」

そう思っているうちに、ジュニア先頭集団からのちぎれ組がぽつぽつと落ちてくる。

「真がんばってるか〜」

しかし、今の自分は人のことを思っている余裕もなく、集団のスピードについて行けなくなる。

「いや!まだまだ!」と気合いを入れ直し再度集団に。

「ぶちっ!」

数度繰り返しているうちに「ぶちっ!」何かが切れた。

それからというもの見る見る集団が遠ざかってしまう。

しかし、関門を考えると力を緩めることができない。

まだコースの半分程しか走っていない.

若干呼吸を整え、ペダルを踏み直す。

長い上り坂も終わり、下りへとはいる。

「きゃー、爽快!」車道を完全に交通規制しているので、右車線にまではみ出しコーナーを攻め、右へ左へとアスファルトをなめるように走る。

長い下りも終わり、またアップダウンがはじまる。

しばらく、単独で走っていると、大集団が迫ってきた。

「これは幸い。一般200kmの第1集団だ。」これを見逃す手はない。

ここで気持ちを入れ替え、集団にとけ込む。

一般120kmのちぎれ組も中に相当混じっている。

藤くんは?

一般200kmに参加している藤くんを捜すが、

「おらん。藤くんはどこ行った?ちぎれたのか?残念。」

後で聞いたのであるが、途中パンクし、リタイアしたとのこと。

関門が厳しいため、パンクやメカトラブルは致命傷といえる。

私にとっては、この集団を逃がすことはできない。

当然のことながら、この集団も、なまはんかなスピードではない。

つりそうな足をだましだまし、死にものぐるいで集団に付く。

上り坂では、心拍数がレットゾーン。

ピキッ!

しばらく集団でがんばっていたものの、少し長い登りで「ぴきっ!あっ攣った!」右足にけいれんがきたのである。

あっという間に集団から取り残される。

しかし関門の時間を考えると、これまたここで足を止める訳にはいかない。

自転車に乗ったまま、ふくらはぎのけいれんを解消する。

80km付近から、スピードが「がくっ」と落ちる。

ふくらはぎだけでなく、太腿腕に首筋、いたる所がつりそう。

平地で時速35km〜40km出ていたスピードも時速20km台へと落ちる。

「まだ関門は残っている。間に合うか。」

必死の形相でペダルを踏む。 後から後から他の選手に追い越されていくが、追う気力がない。

最後の難所。「ぐぐっ、ぴしっ、ぴきっ」

100km付近の長い登坂へとはいる。

これまでになく勾配が急である。いやそう感じるのかもしれない。

「ぐぐっ、ぴしっ、ぴきっ」少しでも変な力を入れるとつる状態まできている。

しかし、ここで止まるわけにはいかない。自分との熾烈な戦いが始まる。

勾配がそんなに急ではないのであるが、まっすぐに登る力が残っていない。

蛇行しながら、足の負担の緩和を試みる。

時速も6〜7km、歩く程度の早さだ。

どれくらい登っただろうか。峠も近いのだろう。

応援の人手も数多見受けられ、惜しみない応援をしてくれるのだが、今の私には、その声も記憶の遙か向こうに聞こえる。

全身の痙攣

いきなりの事であった。

自転車ごと倒れる。

足の指、ふくろはぎ、太腿、腹筋、背筋・・・筋肉のあるありとあらゆる所が一斉に・・・・・・痛いてもんじゃない。

はじめは何が起こったかわからなかった。

追い越していく選手が「おい、大丈夫か」と声を掛けててくれるものの、止まってくれる者は誰もいない。

そらそうだろう。最後の関門の打ち切り時間まで10分あるかないかぐらいである。

2〜3分たったであろうか、上半身は治まったのであるが、まだ足はつったままの状態。そこへ、最後尾の審判者であろうか。

声を掛けてくれた。

「大丈夫か?」の問いに、「足がつってしまって」そこまでのやり取りは良かった。

間に合うか?

「痛いと行ってる場合じゃないよ。」「もう時間がないから、走らないと!」

こっちは、動きたいのに動けない状態なのに。

しかし時間がないのはよくわかった。

まだ、つっている足を引きずり自転車にまたがりペダルを踏む。

まもなく峠を超え、下り坂へとはいる。下りはさすがに早い。

つった足も下っているうちに少しは回復。

坂を下り終えると関門が待っている。「間に合うか!」

最後の関門には、赤旗を持った役員が見える。

「何とか通過させてくれ。悲痛な思いである。」

赤旗を持った役員を横目に、最後の関門を通過する。

「よし!やった!」これからは、平坦な道路を10km程度。

「何とか、何とか」と言う思いである。

後方には、審判者らしき車がライトを付けてついてきている。

あまりペースを落とすと切られかねないので、全力でペダルを踏むが、時速25kmが精一杯。

これ以上力を入れると、また足がつりそうである。

あと5km、4km秒読みの表示が現れ始める。

アドレナリンが沸いてくるのがわかる。

目頭が熱い

「もう少しだ。がんばれ!」あと1km「もう切られることはないだろう。」

小さくガッツポーズ。思わず胸の奥からこみ上げてくるものが。

「やった。終わった。」 充実感と脱力感の交錯する中でのゴールであった。

「終わった。もうこれで走らなくてもいいな!」

by  清水 剛

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